「こんなの可愛いの?」
えっ?これしかないじゃん。

「はい、キモカワと言うか…」
「出た~!女子語ぉ!」
確かに、可愛い!ってほどと言う訳ではなく、見捨てられない感じ。
うさぎでクッキーのついたTシャツ。体は、パステル紫と緑。右目辺りに抜糸されていない糸のようなデザインだ。

「やっぱ、可愛い!」
私は、クキうさを撫でた。
「ふーん…俺とどっちがいい?」
えっ?私、聞き間違えた?!
「えぇっとぉ、いいって言うのは?」

ドンッ。
顔が近すぎるよ。恥ずかしい。
壁どん…
「どうなの?」
子犬のような感じでは無く、一人の男として狙われているよう。

可愛いわけでは、ない。先輩はカッコいいんだ。
なのに、
「答えられません。」
「そっか…」
身体を起こすと
「じゃあな。」
私は、先輩の笑顔が好きだけど、この笑顔は嫌いだった。悲しい顔をしていた。