その時、誰かに肩を叩かれた。

振り返ると、
「クマ!?」

そこには、この遊園地のマスコットキャラのクマがいた。

次の瞬間、クマがあたしの手を引いて走り出した。

みんながこっちを見ている。

葵斗たちは、話し込んでこっちなんて見ていない。

『みてみて!クマちゃんが走ってる〜』

『なにか始まるのかな?』

連れて来られたのは人影のない、階段。

なんなの?このクマ。
ここどこなの?
なんであたしを連れて来たの?

たくさん聞きたいことがあるのに、疲れて声が出てこない。