「え、奈々!?」
葵斗の隣に来て、背中をバシバシ叩いている。
「やっぱり葵斗だ〜!久しぶり」
なんかこの人……やだ。
「ほんとだな。あ、この人同じ高校だった神木奈々。」
そうあたしに紹介してくれた。
「よろしくね!」
「初めまして……」
目が、怖い。
この人の目、笑ってない。
「そーいえば、この前平川に会ってさ〜」
奈々さんが話し始める。
ダメだ。この場を離れたい。
少し離れたところまで歩いた。
1人になると思い出しちゃう。
あのレストラン、行ったな。
あのお土産屋さんでおそろいのストラップを買ったのも、懐かしい。
あ、観覧車。
ジンクスがあるとか言ってあたしが無視やり乗せたんだっけ。
───翔流を。
翔流と来た時を思い出しちゃうのは、多分。今、寂しいから。