数秒、重い沈黙が続いた後、翔流がゆっくりこっちを向いた。

「あの時の俺には思いつかなかったんだ。他に綾菜を守る方法が……っ」

翔流はまた下を向いてしまった。

「守るって…なにから?なにからあたしを守ってくれたの…?」

目線が同じになるようしゃがんで、翔流の顔を覗き込んだ。

けれど顔を背けられた。

少し大きくなった翔流の背中を見つめながら、無意識に手を伸ばしていた。

もう少しで触れそうになった時、翔流が話出した。

反射的に手を引っ込めた。

心臓がうるさい。

あたし今、なにしようとしてたんだろ…