「もうお前のこと好きじゃないから」

「え…っ?」

ある日の放課後、翔流に呼びたされて言い放たれた言葉。

突然すぎて数秒声すら出なかった。

あたし、振られたの……?

「え、な、な…んで…?」

あたしは目をぱちくりしたまま言葉になってない声で言った。

「だから、もう好きじゃないからって言ってんじゃん。」

瞬きすらわすれた。

「じゃあそういうことだから」

翔流はそのまま立ち去ろうとした。

「え…かける……まって……っ!!」

やだ……っ!!

なんでよ……

守ってくれるって言ったじゃん…!

昨日まで味方してくれてたじゃん…!!

思いとは裏腹に声も足も出ない。

『裏切られた』

その言葉だけが頭の中で繰り返される。


夕暮れで空はオレンジ色に染まっている。

それがさらにあたしの心を悲しくさせた。


それからは完全にあたしの心は壊れた。

学校に行きたくない。

翔流がいる。

でも受験生だから休むわけにはいかない。

1日休んだらもう登校拒否になる自信があった。