「翔流が綾菜を振ったのは綾菜を守るためだったんだよ」


え…?


──中学3年の秋


あたしは1部の女子にいじめられていた。

理由は……今でもわからない。

そのときはただただ怖くて辛くて必死に耐えていた。

心がボロボロだったとき、唯一の救いは翔流がいたこと。

翔流はあたしを守ろうとしてくれた。

笑わそうとしてくれた。

翔流は
「俺は綾菜の味方だよ、守るから」
と毎日のように言ってくれた。

だからあたしも翔流の前では自然と笑顔になれた。


なのに……