2人がいなくなり、静かになった保健室
私は布団の中に潜り、1人で泣いた

「あのー、柚羽さんいますか」

聞き覚えのある声

そうだ、篠田さん
この声は篠田さんだ

分かったところで、泣き顔を見られたくはない

だから私は黙ってやり過ごすことにした

「いないのかな」

よし、この調子で何も気づかずにいてくれれば

………ブーブーブー

静かな保健室で私の携帯が着信を知らせる

あー見つかった
観念した私は、布団から出ることにした

「篠田さん」

「あ、やっぱりいた」

「すいません、ちょっといろいろあって布団にこもってました」

篠田さんは笑って気にしないでと言ってくれた


「あのー、どうかしたんですか」

「いや、体育の時間秋人が慌てて女子が体育してる方に向かったんで何かと思ったら、柚羽さんが倒れてて」

「そうだったんですか」

秋人、本当に心配してくれてたんだ
それを知れただけでさっきまでの暗い気持ちが嘘みたいになくなった

つくづく単純だと自分でも思う


「で、柚羽さんのこと気になってきてみたんです」

「ご心配おかけしました。でも、この通り元気です」

私は篠田さんに向けてVサインをだす

それを見た篠田さんは微笑んでいた、つられて私も微笑んだ