そこには、私と同じ高校の制服を着た男の子

「あのー、…私YURIAじゃないです」

顔を見られたらやばいと思って
相手の顔を見ないように、下を向いていた

「すいません、とても似ていて間違えてしまいました。ですよねー、YURIAがここに居るはずないですよね(笑)」

「そ、そうですよ!こんなとこにYURIAが居るわけないですよー」

「僕YURIAの大ファンで、会ってみたいなーって思ってたから勘違いしたのかもしれない」

「き、きっとそうですよ
私がYURIAなわけないですよ」

よかったー
なんとか信じてくれたみたいだ

「あの、隣座ってもいいですか」

「ど、どうぞ」

その人は、私の隣に座ってきた

そこでようやく私はその人の顔をみた

んー?この人どっかで見たことある気がするような、しないような

ていうか、色白っ!美人だー
本当に男なのか不思議に感じるくらいだ
こんな人うちの学校いたら目立つだろうに

「あのー?なんか僕の顔に付いてますか」

気づけば、キョトンとした顔でこちらを見ている

「あ、すいません。きれいな顔だなって思って。そ、そういえば薄桜高校の生徒なんですね」

「はい、一緒の高校なんですね」

「え?なんで分かるんですか」

「あーいや、なんとなくそうなのかと思って」

この時、なんで彼が私が薄桜高校の生徒だと分かったのかは不思議だったが、なんとなくスルーしてそのまま話していた

「あー!?もうこんな時間だ!そろそろ帰らないと」

つい話し込んでしまって、ミミの散歩の途中だということを忘れていた

「あ、すいません。楽しくて
つい話し込んでしまいました」

申し訳なさそうな笑顔で謝る男の子

「こちらこそ、すいません。
ても、本当に楽しかったです!
ありがとうございました。それじゃ」

私は男の子に背を向け、走り出した

あ、そういえば名前聞いてないや
私は振り返り、ひらひらと手を振る男の子の人に大声で

「あのー、名前なんて言うんですかー」

「篠田 凌(シノダ リョウ)です」

「わかりましたー、また会いましょうねー!!
篠田さーん」

私は篠田さんに手を振り、
ミミと急いで家に帰った