カテリーナは王女でありながら、頭脳明晰であったため、1隊の隊長をつとめて、作戦を考え、指示していた。隊員は選び抜かれた兵士で編成されているため、ソレイユから『悪魔の隊』と呼ばれた。
悪魔の隊により、ソレイユ軍は一時的に劣勢となったが、ソレイユの国力と兵の数の力により、カテリーナ率いる悪魔の隊はほぼ全滅、クレセントは追い詰められた。
そんななかソレイユの国王が病死し、レナルドは若くして国王に即位した。
ソレイユ軍は前国王の死をきっかけに勢いを増し、ついにクレセント王城を攻めることとなった。
「俺も参戦し、クレセントの最期を見届ける。」
「レナルド様……いや、国王様‼最後の戦いとなります。非常に危険です。」
「俺が弱いから危ないというのか?」
「そのようなことは…………心強いです。」
レナルド率いるソレイユ軍は、半日で城門を突破し、城内を攻め始めた。

カテリーナと国王は最上階にいた。
「国王様‼‼ソレイユ軍が城門を突破しました。逃げるなら今しかありません‼‼」
「わたしは国王だ。兵士を見捨てて逃げようとは思わない。」
「ならば、せめてカテリーナ様だけでも……」
「どうする?カテリーナ。」
「私は逃げないわ。一生悔やんで生きていくのは嫌よ。」


ソレイユ軍は最上階へとたどり着いた。
レナルドが先頭にいるという異例のことに、クレセントの残りの兵士も動揺し、あっけなく倒されていった。

ソレイユ軍に囲まれたクレセントの国王、カテリーナは覚悟を決めた。カテリーナの目の前で国王は殺された。

カテリーナは泣きながら、倒れていた兵士の剣を拾うと、レナルドに向かっていった。
しかし、レナルドの方が武術が上をいっていたため、あっさりと剣をはらわれ、首を腕で閉められた。
カテリーナの意識はそこで途絶えた。


カテリーナが意識を取り戻すと、牢の中だった。両手は手錠で拘束され、両足は縄で縛られており、もがいても、動けなかった。
1人の兵士が牢の前にきた。
「ようやく目を覚ましましたか。」
「ここは、どこなのよ。」
「ソレイユ城内の牢です。」
カテリーナは再び覚悟を決めた。近いうち、ソレイユ国民に自分の首をさらされることを。
数分後、カテリーナの足の縄がほどかれ、牢から連れ出さた。そして、ひとつの部屋に連れて行かれた。
うつむいていたカテリーナが正面を見ると、そこにはレナルドがいた。
レナルドの合図で家来はいなくなり、2人となった。
「久しぶりね。レナルド。」
「カテリーナ。随分と美しくなったな。」
「私をどうするつもりなの?今さら命乞いなんてしないけれど。」
「お前はどうしてほしい?」
「もう、覚悟は決めてるわ。」
カテリーナの一言に、レナルドはニヤリと笑った。
「お前、悪魔の隊を率いていたな。」
「そうよ、それがどうしたって言うの?」
「あの隊のせいでソレイユでも多くの兵士が犠牲になった。だから……」
「殺すなら、早く殺しなさいよ‼‼‼‼」


「……カラダで償ってもらう。」