走る振動だけで気持ち悪い…
吐きたい…

ウィーンッ

受け付けのお姉さんに聞いてみよう。

「松嶋は、緊急搬送された松嶋どこですか?」

「4階の、ICUです。」

「ありがとうございます」

もう、エレベーター遅い!階段で上がる!

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ
ガーッ

吐きそう…

「まぁまぁー!!!!ヒクッゥワァーーーーー!!」

わんわん泣いている於兎を抱き抱えて、確認。

「於兎!?大丈夫だった?」

「…ヒクッヒクッままぁ…ヒクッヒクッ」

「よしよし。痛いところない?」

「ないない…」

於兎は大丈夫だった……
指しゃぶりをして、於兎はいつの間にか寝息を立てていた。

「先程、電話をさせていただきました、佐野です。」

「あ、はい。」

「杏さんと海さんはこちらです。」

……は?パパは、即死だったんでしょう?なんで、ママと一緒なの?あぁ。そうか。病院の配慮で一緒の部屋にしたんだね。

「杏さんも、先程……お亡くなりになりました。」

…………は?いや、

「……は?」

「こちらです。」

そこには、服が血塗れになっている、パパと、眠るように横になっている、ママがいた。

「っ!」

でも、それを見せられて、本当の事なんだと実感できてしまった。
いや、実感せざるおえなかった。

な、んで…?な、に?これは、なに?夢?現実?
脳みそがキャパオーバー状態になり、あたしは意識を手放した。