そして、6時半になると維愛達が来た。

「ほぇ〜。いいとこ住んでんね。」

「新しいし。」

「これ間取り何?」

「3LDK。」

「昨日の子は?」

「あっち。」

於兎は今、昨日買ったブロックに夢中。維愛達が来るまでは、類くんとボール遊びをしていた。

「昨日の子って?」

「おい。4人ともそこ座れ。」

4人をソファに座らせて類くんが話を始めた。

「俺と椿樹、結婚してたんだ。黙ってて悪ぃ。普通に1歳7ヶ月の子供もいるし、椿樹は今、2人目を妊娠してる。」

「…は?」

「それと…昨日、椿樹の親父さんとお袋さんが亡くなった。だから、これからは3人で暮らす。」

「昨日のうちに言えなくてごめんね。」

「その冗談全然面白くないよ〜?アホでしょ、川神。ねぇ?みんな!」

「それな!ほんとに、面白くないぜ!」

「そりゃ、面白くないだろうな。冗談じゃねぇんだから。」

「ままぁー!これみてー!」

「あ、ごめん、ちょっと行ってくるね。」

隣の部屋を覗くと、なんだかよく分からないもの。

「まま、これっ!」

「おーくんこれなぁに?」

「んーとね、くるん!」

「ヤクルト?へぇ〜。」

「椿樹ー。こっちに於兎、連れてこれそう?」

「うん!おーくん、パパにも見せてあげて?」

「うんっ!ききー!!これみてー!」

類くんに飛びついて、膝の上に乗せてもらってご機嫌の於兎。
…可愛いなぁ。写真写真。

「なに?これ。」

「くるん!」

「ヤクルトか。上手に出来たな。」

「あたしお茶入れてくる!ご飯の準備もしなきゃ!どうせみんな食べてくんだから。於兎よろしくね。」

「はぁ?アイツらに食わせる飯なんざねぇよ!マジで、椿樹の飯とか食わせたくない。」