「類くん。これ、お礼ね。」

「えっ?おぉ。サンキュ。ちょっと待ってな。……はい。」

ポケットの中をゴソゴソして、はい。って渡されたのは300円。

「ちょっと、お礼だってば!」

「いいから。貰っとけ。な?男が奢ってもらうとかカッコ悪ぃだろ?」

別に、カッコ悪くないと思うけど。

「……わかった。」

「まぁま、ちゃ!」

「あ、のさ。こんな場所で言うのは無神経かもしんねぇけど、おばさんも、おじさんも亡くなったんだろ?」

ペットボトルから、於兎にお茶を飲ませるのは一苦労だな。

「…うん。そーだね。あ、もしかして於兎のこと?約束通り、類くんが高校卒業するまで、あたしがちゃんと育てるよ?」

「あー、いやさ、」

「川神さーん。1番に入ってくださーい。」

「はーい。なに?」

「いや、いいや。」

「後でまた、その話しよう?っていうか、話しないといけないと思うから。じゃ、おーくん見ててね。」

「おう。いや、俺も行く。」