恐いよ。不安だよ。
だって今更だって思うでしょ?
あたしは凌兄の目を下から恐る恐るに見る事しか出来ない。
だってこの手を拒否されたら…
きっともう立ち直れないと思うから。
もう、この気持ちは行き場を失ってしまうから。
凌兄の顔を見ているのも怖くて、あたしはぎゅっと目をつぶる。
取り消そうかな。
あたしの頭にそっと浮かぶそんな考え。
なかったことにすればいい。
駄目なあたし…可哀相だね。
ぬるま湯に浸かる方ばかりを考えて、優先させるんだ。いつも。
あたしの本音はどこにあるの…?
あたしの本音はなんて言ってるの…?
――取り消す必要なんてない。
これがあたしの本心…。
「おいっ」
決心を固めたとき、急に呼ばれて目を開き、まだ驚きで目が大きくなった。