週が明けて月曜日、また、彼の足跡がそこにあった。

それだけで嬉しくて、確か、そう、スギタ君。

年上かな?

いつもより軽い足取りでぴょんぴょんとその足跡を追う。

最近は自分で道を作りながら歩いていたから、

久しぶりの足跡にすっぽりとはまる自分の足の感覚が、とても新鮮だった。


とんっとんっとんっ...

慣れたステップで足跡を追うと、いきなり目の前に影が現れた。

すると、



どん!



ばふっ。



足跡を追うのに夢中で、全く前を見ていなかった。

前の大きな影にぶつかって、そのまま後ろに倒れてしまった。

「すみません!...っあ、スギタく...あっ。」

ばか、いきなり名前なんか出したらキモイでしょうか!

「あ、ども。

大丈夫っすか?」

そう言って差し出された大きな掌。

「ごごごごめんなさいっ!」

そう言って、自力で立とうとしたけれど、動揺しすぎて上手く立てない。

すると、ひょいと体が持ち上げられた。

「あ、ぅあ!」

わけのわからない声が出た。

もう恥ずかしすぎて死にたい...。

「ふっはは!

この時間除雪されてなくて大変っすよね。」

そう言って、またざくざくと前に進んでしまったスギタ君。