それから毎日、私の前には同じ足跡の道ができていた。

毎日、毎日...


この足跡、誰の足跡なんだろう。

毎朝助けられるこの足跡をつけている人に少し興味が湧いた。

たしか、前を歩くあの人は、黒いコートにマフラー...の色まではよくわからないけれど。

黒いコート、黒いコート...

あ、あの人。

あ、あの人も。

あれ、あの人も。

...って、

この時間にいる高校生は少なく、その中で黒いコートを着ているのは全員だった。

逆に全員一緒とか、凄いかも。

って、そうじゃなくて。

これじゃ誰だかわからない。

マフラーをしている人もほぼ全員。

あの人とあの人はマフラーをしていないな。

そんなことを考えている間に電車が着いた。