一緒にいてくれたマネージャーは気さくな女の先輩だった。
2日かけて行われた大会間は競技を見ながら、マネージャーの仕事も教えられた。
記録を書いたり、氷を買いに行ったり。
人の役に立てることが嬉しくて、俺は喜んで働いた。
もちろん競技もすごく魅力的で。
だって、選手達が一喜一憂しているのをみると……こっちまで感情の波が押し寄せるんだ。
勝った負けたとかじゃなくて、自己記録更新(自己新)が出たとか。
一生懸命な姿はやっぱり素敵だなぁ、と正直必死に涙をこらえた場面もあった。
もちろん昭尋や綾人の、自己新が出たときの弾けるような笑顔は、今でも忘れられない。
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