「史恩はさぁ、部活楽しいの?」

それは唐突にきかれた質問。
俺と昭尋は帰り、自転車で途中まで一緒。

でもその日は雨だったので、二人で親の車を待っていた。

そんな時きかれた急な質問に俺は迷いなく

「楽しいよ」

と答えた。

昭尋は

「そう」

とだけ言うと、無口になってしまった。
俺が話しかけてもあぁ、とかへぇ、とかそればかり。

大会が近いからかな、と思ってしばらくして俺も話すのをやめた。

五月の大会は先月の地区大会を勝ち抜いた者だけが出られる県大会。
辛うじて出場出来る昭尋がナーバスになるのも無理ない。

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