そこには、1人の小さな女の子

小学3年か4年かの年頃で髪の毛は2つ結び、ピンクのワンピを着ている

普通の子と何も変わらないが、変わっていることがある。

その子が透けているってこと


『あの女の子視えてるでしょ?』

私はさっきよりも具体的に相手に問いた


「…ああ」

視えている。


男はポツリと言葉をこぼす


『私がこれから話すことはそういった類の話だよ。

話きいてくれる?』

男はこちらに向かい歩き出し、私との距離を一歩一歩近づける


ザッ
少しの砂が舞い、雲に隠れていた月が顔を出す

男の顔がさっきよりもはっきりと私の目にうつる

男は極上の声で
「聞いてやる」
と妖美な顔をした