私は時間割りを変える係りだった。
教室の後ろにある小さな黒板に明日の時間割りを書くだけなんだけど。
そのとき、同じ係りの女の子にこう言われた。
「ことりちゃん、昨日あいつから言っといてって頼まれたことがあるんだ!」
「え?なに?」
ドキドキしながら次の言葉を待つ。
「帰ってる途中ね、あいつが私に『杉村が泉さんのこと好きって言ってた!って明日泉さんに言っといて!』って言われたんだ~!杉村は否定してたけどね」
チョークを持つ手が震えた。
聞きたくない。
心ではそう叫んでたのに。
「昨日グローブを持っていかされてたでしょ?もしかしたらあいつがことりちゃんに成り済まして手紙か何かを書いてあの中に入れてたんじゃない?」
その瞬間、私の心は音をたてて崩れた。
チョークが地面に落ちる。
君のことが大嫌いになった、夏の日。