何分経ったかわからない。
もう、涙が枯れたんじゃないかってほど泣いた。
その人はその間ずっと付き添っていてくれた。
知らない人なのに…。
でも、『なんで』なんて言葉は出てこなくて
出てきたのは
「ありがとうございます」
お礼の言葉だけ。
「俺なんもしてねぇし?」
「でも、隣に人がいるってだけで安心しました。」
こんな優しい人を好きになれたらな。
ハルは優しい。
でも、鈍感だし、何より…華桜が好き。
「三月ちゃん。俺は何があったか知らないけど、時には人に頼ってみたら?」
その人は言った。
その言葉に私は驚く。