「そういえばさ、ハルってなんで華桜が好きなの?
ちゃんとした気持ち?」
ここで私にもチャンスがあるって思える理由が
返ってきますようにと願っていた。
ハルがちゃんと華桜の事が好きなのは自分が一番分かってるくせに。
「俺は軽い気持ちで、人を好きになったりしない。
ちゃんと好きだよ」
返ってきた言葉に、分かっていたはずなのに涙が滲んだ。
私は華桜の事が好きなハルの事を好きになったんだって
…最初から分かってたのに。
もう溢れる寸前。
「そっか!そうだよね!うん!」
私はわざと明るい声を出した。
この場にいると、泣いちゃう。
そう思った私は立つと
「ちょっとトイレ!」
そう言って走った。
「ミツ!」
ハルが呼び止めるのを無視して。