「組長!!!大変ですっ華月組が!!!」
「っな!?」
襖の向こうから聞こえてきた声におっさんは、目の色を変えて身を起こす。
堕ちかけた思考を引きずり戻し、口の中を噛む。血の味で完全に思考を引き揚げ、おっさんを睨み付ける。
おっさんは私の変化になんか気付かずに酷く慌てた様子で服を着る。
その姿の滑稽さと言ったら、バカバカしくて笑っちゃいたい。
それを我慢して、ズボンを履き終えたおっさんの首に手を回して力づくで締める。
「っ!?離せ!!この小娘!!!」
「あんたは終わりだよ。枦組の組長さん?」
「なっ!?」
にっこりと微笑み、おっさんの首から手を離した瞬間、ベッドに押し倒す。ベッドの上だから楽チンだね。
口の端から赤いのが出てるけど、まぁ気にせずに。
起き上がろうと躍起になってるおっさんを押さえつけたまま、にっこりと微笑む。
「はじめまして、枦組の組長さん?あんたは、私が逝かせてあげる」
「小娘ごときが何を!!!」
「そう言えば、まだ名乗っていませんでしたね…。私は、華月組のシュリ」
「ッ!?!?」
口の端についた血を指で拭う。ペロッとそれを舐めて見せれば、組長は顔色を変える。