日に日に量を増やされてる気がする…。

そのせいか、常に頭は霞がかかってるみたいで、ろくに考えることをできない。

おっさんが来るたびに与えられる快楽だけが異様に脳を刺激して、他のことは全部浮世離れのことみたいになってる。

赤はこの薬を仕留めあぐねているらしい。しかも量が増えるばかりで追い付いてない。

まぁ、そのおかげでなんとか動けるんだけど…。

今日もやって来たおっさんは、その手に3本も持って、気持ち悪い笑みを浮かべている。

「どうやら、とんでもない拾い物をしたようだ。まさかまだ目が死なないとは…」

そりゃ、普通の人ならこんな毎日毎日打たれてたら壊れるわ!!

生憎、普通じゃないから生きてるようなもんだ。

でも、薬の作用は確実に体を支配してる。それは分かる。

離脱症状は出ないけど、やっぱり思考は霞むし、体は嫌でも反応する。

また、腕から入っていく薬。やっと静まったはずの熱がまた体を支配していくのが分かる。

「っ…」

「従順になるのは体だけか?」

「…ん」

「まぁいい。壊れるまで、可愛がってやる」

思考が堕ちていく、その寸前だった。