街は姿を変える。
昼間は賑やかな、表の世界のみで生きる人たちが平和な街を彩る。
そして、夜は…。
街を歩くのは裏の世界に片足を突っ込んだような人。今日の遊び相手を探す人。家に帰りたくない少年少女。
もちろんそれだけじゃなくて、帰りが遅くなったサラリーマンや塾帰りの学生たちは急いで家路に帰る。
中には家に帰れない?帰りたくない?サラリーマンがカプセルホテルに泊まるために歩く人もいる。
昼間とは違った、独特な色をもった世界。
そんな世界の片隅で、かなり際どい?格好をして立つ。
胸元を強調して、体のラインがもろに出る服を着ている。いつもは隠している顔を出して、髪は1つにまとめている。
さぁ、餌はつれるかな…?
「彼女、こんなところでどうしたの?」
早速来たか。ちらりと見れば、鼻の下を伸ばした青年が5人。
その青年たちの中に、ターゲットを見つけて微笑む。早速つれるなんて、今日はラッキーかな?
「ねぇ、俺たちと遊ばない?」
「…やだ」
「は?」
「そういう、プレイ。好きじゃないの」
何人にも犯される趣味なんてない。寝るなら、やっぱり1対1がいい。
ほんとは、知らない人となんて嫌だけど、大切な人とはもっと嫌。
私の中の赤が殺してしまうかもしれないから。