それからはずっと怪我したところを見てる次男さんは、苦い顔になった。

「朱音、ちょっと救急セット持ってくるから待っててね」

「…ん」

次男さんは一旦家の方に帰っていく。

その場に座ったまま、次男さんが戻ってくるのを待つ。


なんで、優しくしてくれるの?

なんで、縛っておかないの?

なんで、生かされているの?

私は、あなたたちから大切な人を奪ったのに。なんで、家族にしてくれるの?


分かんないよ。優しくしてくれる理由も、大事にされる理由も、何もかもわからない…。