なんだ。抵抗すればよかった。

あんなこと言っておいて、あの男は金で雇われた身だったらしい。

脅されて連れてこられたのならともかく、自分から雇われた奴に同情なんかしなければよかった。

「朱~?よかったでしょ?彼ねホステスなんだよー」

ふざけた研究者が入ってくる。

その顔をぶん殴ってやりたいけど、自制した。

まだダメだ。こいつに復讐するにはここの情報が少なすぎる。

だから、その時まで我慢するんだ。

睨みつけると検討違いのことを言って、勝手に自己解決してやがる。

来たときと同じように拘束されて牢に戻される。こんなの、いつまで続くんだろう…。

落ちていく意識に抗うこともせず眠りについた。