「朱音~!!!」
「親父っ突進してくんな!!!」
奥から弟くんの言葉通り突進して来た父親。
私をだっこしてる弟くんもびっくりだ。
うん、やっぱ賑やかだ。
久しぶりの華月組本家。まぁ、感覚で言えば2週間ぶりくらいなんだけどね。
でも、外出たら蝉鳴いてるし、くそ暑いし…。うん、2か月寝てたって言われてやっと実感したって感じ?
「朱音、ごめんな。よくやってくれたな」
「……組長が泣いちゃダメ」
「ッ!!」
あらま。さらに泣いちゃった。
どーしよ。とりあえず頭なでなでだね。こんなこと、他の組に見せれません。
とりあえず父親は落ち着いて、屋敷の中に招き入れてくれる。うわぁ、この迷路のような家久々だわ…。
そんな迷路を一切迷わず歩いて見せた父親は、組長の部屋の襖を開けて中に入る。
中には長男さんがなんかの書類見てたけど、私を見た途端表情が柔らかくなって書類は机にぽいされる。
「朱音、お帰り」
うーん。これは改まらない方がいいのかなぁ?でもなぁ、けじめはけじめだよね?
弟くんの腕とんとんして降ろしてもらって、なんとか正座。うぅ…関節が動きにくい…
「…ただいま戻りました。ご迷惑をおかけしました」
「構わん。お前を失わなくて済んでよかった」
父親…じゃなくて組長は…ん?どっちとしてだこれ?頭わしゃわしゃされてるけど…んー。まぁいっか。