私は、友人の明松由花《アケマツ ユイカ》と北条春香《ホウジョウ ハルカ》と下校しようとしていた。
「今日は久しぶりに委員会もなかったから一緒に帰れるねー!」
こいつが明松由花。
成績、顔ともに上の中。
まあ、これが美人で成績優秀でなんでもこなしちゃう子。ただ方向音痴で運動もダメ。でもこれは女子としておいしいとこどり。
「由花があんまりにも委員会で忙しそうやから、うちらもなんか手伝おうか思っててん!な!星奈」
これが、北条春香。
成績は下の中。
顔は上の中。
成績はダメダメではあるけど、運動神経抜群で勉強以外ならなんでもやれちゃう天才型。
後輩からは慕われてかっこいい女子として崇められてる存在。
高校入学と同時に大阪から転校してきたせいか、まだまだ関西弁が抜けないが、それもまた可愛いと評判である。
それに比べ私は、、、、
「はぁ」
「おーい。星奈ー話聞いとったかー?」
「あああ、ごめんごめん!なんて?」
「全然話きーてへんわこいつ!しめたろかな!」
「いやん!おやめになってーーーー」
なーんてふざけてたら、、、
「あ、あけまつ、、、」
後ろから男の声。
振り向くと顔がリンゴみたいに真っ赤の男の子が立っていた。
上履きの色を見る限り、同い年のようだ。
だが、この学校クラスが多い為、そうそう覚えてられない。
誰だこいつ。
「あ!新井くん!」
あ、らい?
誰ですか、初めて聞きましたよ。
キョトンとしている私に、春香はこっそり教えてくれた。
「委員会で一緒になって話すそうになった人やねんて。まぁ、この学校大体の席あいうえお順やん?明松、新井、、な?わかるやろ?」
「あ、はぁ」
あまりよくわからない。
春香は本当にバカだから何をいってるのさっぱりだ。私も人のことは言えないが。
「全然分かってへんやんか!あれやで。こ、く、は、く!!」
「あ、、あーーー」
納得した。
「ここまで言わなわからへんて、あんた女子高校生かいな。あ、ちゃうかったな、ごめんごめん子豚ちゃん」
「ぶーぶーってこら!!」
そんなこんなしてる間に、
「なんか話あるみたいだから行ってくるね。ごめんね。埋め合わせちゃんとするから」
と可愛く顔の前で手をあわせる。
「はいはい。いっておいでー」
「また明日ねー!」
新井とかいう男と由花は二階へ上がっていった。
「はよ帰ろー星奈」
「うん!帰りどっかよってこーよー!」
「うわ!デブやデブ。おーーこわっ」
「関西弁丸出しの女の方が怖いー!」
「なんやてぇーーーーー」