Christmas Love Letter 〜君を忘れる物語〜



今日は12月24日、そう世界中のみんなが待ちに待ったクリスマスイブ。




私、種島 桃はいつも通り家族の誰よりも早く起きて 日課である新聞取りのために寒い外に出てポストを開けた。





そこにはもちろん新聞が入っている。でももう1つ、そこには綺麗な赤い封筒に入った『from Momo』と書いてあるポストカードが入っ





ていた。まだ家族が寝ているから静かにリビングに新聞を置くと、外に行って冷たくなったピンク色の足でペタペタと2階の自分の部屋







に戻る。ドアを閉めて鍵をかけると私は、1度封筒を置いてルームシューズを履いた。





差出人不明の私宛の手紙が送られてくるようになったのは 今から10年前、



私が6歳のクリスマスイブ。早起きするのがその頃から得意で好きだった私は、毎朝今日のように新聞を取りに行っていた。







けれどその日だけは、新聞以外にもう1通手紙が入っていた。



「きれー!」



キラキラと金色の刺繍が入ったその封筒は、まだサンタさんの存在を信じていた私の心を惹きつけた。






そして、私は誰にも言わずにその中身を見た 残念ながらサンタさんからの手紙なんかじゃなかったけれど……
『ぼくが心から愛するももへ





Merry Christmas!! 今年もこうして君に手紙を書く季節がやってきたよ





今年も寒いから君が風を引いていないか心配だよ





だってぼくじゃ君を抱きしめて温めることもできないからね 本当に心配……




クリスマスのプレゼントはなににするのかな? ぼくも君に何かプレゼントをあげれればいいのに



本当に君は優しくて世界一かわいい 本当さ ぼくがそう思うんだもの






じゃあ、今年もこのへんで 君がぼくのことを覚えていてくれますように』
少しキザな文章に その時の私はついていけなかったけれど




誰だかわからない差出人のことを私は、気持ち悪がるわけでもなく 怖がるわけでもなく




ただ純粋にこの人は私を知っていて 私のことが好きなんだ。という不思議な出来事に納得していた。






だんだん成長していくにつれ、手紙の差出人に惹かれるという訳ではなく




純粋にどんな人物なのか気になっていった。
私は、ルームシューズを履き終えて ゆっくりとカードを開いた。






そのとき、何かが頭の中に浮かんだ気がした。それはすぐに消えてしまったけれど






幸せな懐かしい香りがした。





(あぁ…… もしかしたら私は この言葉を待っていたにかもしれない)




ポストカードには1言





























『今日迎えに行くよ』





と書かれていた。