卒業式という一大イベントが終わり、遂に学校を後にする時が来た。

抱き合って涙するクラスメイト。
ボタンを交換し合うカップル。
寄せ書きを書きあう女性陣。

友樹はというと、ただただ呆然としていた。
卒業までに想いを伝える事ができなかった。
その悔しさを噛みしめていた。

もういいや…帰ろう。

そう思い、一人で学校を後にしようとした友樹。



その時、誰かが自分の名前を呼んでいる声が聞こえた。