ようやく爆発による火災は鎮火しつつあった。

消防、警察の現場検証が始まる。

「…倉本さん、どう思いますか」

現場での瀬尾の様子を見ながら、巽が訊いた。

見た所、瀬尾におかしな点は見受けられない。

言動に不審な点もなく、倉本達捜査員にも協力的。

爆発物処理班という観点から、専門的な知識も提供してくれる。

もし彼が爆弾魔ならば、自身に不利になる情報は出し惜しみしそうなものだが。

「逆にそう思われないよう、出し惜しみしないのかもしれん。敢えて情報を提供する事でな」