「瀬尾、どう見る?今回の爆発」

倉本が瀬尾に問い掛ける。

「…爆発の規模が、前回より大きくなっていますね」

瀬尾は立ち昇る炎と煙を見ながら言った。

「74年8月30日に日本の東京都千代田区丸の内で発生した、三菱重工爆破事件に匹敵するかもしれない」

三菱重工爆破事件では、爆発の衝撃で1階部分が破壊され玄関ロビーは大破、建物内にいた社員が殺傷された他、表通りにも破片が降り注ぎ多数の通行人が巻き込まれ死傷した。

三菱重工業東京本社ビルの窓は9階まで全て割れ、道を隔てて反対側にある三菱電機ビルや、丸ビルなど周囲のビルも窓ガラスが割れた。

また、表の道路に停車していた車両も破壊され、街路樹の葉も吹き飛ばされた。

爆心には直径30センチ、深さ10センチの穴が開いていたというから、その威力が窺える。