と。

「巽さん、もう1時間だけ何とかなりませんか」

言ったのは環だった。

「あぁ?」

肩越しに振り向く巽。

…環は俯き、頬を染め、モジモジしている。

「今ね…撮影用のビキニ、制服の下に着てるんです…ヒョウ柄で、結構際どいデザインの奴…」

「……」

「撮影用だから、汚したりは出来ないですけど…」

環は上目遣いで巽を見た。

「どこか2人きりになれる場所で…巽さんに一番最初に見てもらいたい…な…」

「……」

口に咥えていた巽の煙草が、ポロリと落ちる。