一言で言ってしまえば知能犯。

これまでに倉本達が対峙した事のないタイプとも言える。

警察を翻弄しながら、爆破事件を繰り返す。

「パターン化する事は出来ないのか。犯人が次に狙う場所を特定するような」

「難しいですね」

倉本の言葉に班員は答える。

「まだ犯人からの犯行声明のようなものも出ていない。パトカー、アイドルの事務所、大学の教授、そして航空機…狙われた場所もバラバラだ。現時点ではパターンどころか、犯行動機さえ明確じゃありませんから」

爆発物処理班というプロでさえ、犯人の動きは読めない。

相当に難解な思考の犯人なのかもしれない。