「一連の爆破事件で使われたのは、全て手製の爆弾だ」

巽が警視庁鑑識課員から聞いた話によると、環の所に送りつけられた郵便爆弾、あれには、はんだ付けの跡がある単3乾電池3本、直径1.7センチ長さ14センチの鉄パイプ、ニクロム線、赤白のリード線、厚さ数ミリ、一辺1センチの正方形板状の磁石などが発見され、火薬の量は20グラム前後だったという。

「細かな違いはあるが、他の2件の事件で使用された爆弾も、非常に近い構造だったって話だ」

俗に言う爆弾魔という奴は、爆弾の構造に癖が出る。

同じタイプの爆弾を使用したり、切断すると起爆する配線のトラップの好みが似ていたり。

それらから、犯人が同一犯かどうかを知る事ができるのだ。

「環を標的にしたのは、世間の注目を浴びたかったという可能性が高い。本当の狙いは、アイドルの殺害なんかじゃない筈だ」