よく見ると、同じ仕掛けがそこら中に設置してある。

瀬尾が市販の電池や火薬を利用して仕掛けたトラップだろう。

彼はプラスチック爆薬も所持している。

こうやって倉本や巽、警官隊が上陸してくるのを見越して、罠を張っていたに違いない。

「これでは迂闊に近づけんな」

「しかし!」

倉本の言葉に、巽が咬みつく。

「早くしないと環が!」

「分かっている」

倉本はゆっくりと歩み出た。

ワイヤートラップの張り巡らされた砂浜に。

「このまま手を拱いている気はない」