環はワイヤートラップを避け、別の方向へと走り出す。

砂浜に沿うのではなく、島の中央部へ。

過去にサトウキビの生産などが行われていた為、身を隠す場所もなくはない。

しかし。

「っ!」

ここでも爆発が起きる。

その轟音に、環は思わず足を止めた。

「動かない方がいいって言っただろう?」

瀬尾がまたも追いついてくる。

「この島のいたる所に、警察対策でトラップを仕掛けているんだ。歩き回って爆弾の餌食になっても保証はしない」

「あ、貴方は…」

環は再び瀬尾を睨む。

「もしかして指名手配されている人ですか?巽さん達の追っている」

「巽?」

瀬尾の足が止まった。