とはいえ、オーハ島は周囲2.7キロの島。

逃げられる範囲もたかが知れている。

何れ追い詰められるのは時間の問題。

加えて。

「きゃあっ!」

環の周囲で爆発が起きた。

地面が抉れている。

環の足に何かが引っ掛かり、それで起爆したのだ。

「下手に動かない方がいいよ」

ゆっくりと近付いてきた瀬尾が言う。

「その辺りにはワイヤートラップを仕掛けている。爆発に巻き込まれなかったのは僥倖だったね」

「……」

振り返り、瀬尾を睨む環。

「そんな怖い顔をしても無駄だな」

瀬尾は薄く笑った。