後ろを振り返りながら逃げ続ける環。

ポケットの中にスマホを入れたパーカーを置きっ放しにしてきた事が悔やまれる。

あのスマホには、巽や倉本、美奈の連絡先も全て登録してあるのに。

水着姿の環には、どうする事も出来なかった。

逃げながら考える。

これからどうする?

環は追ってきているのが、巽達の捜査している爆破事件の犯人である事は知らない。

が、スタッフ達を人質に取り、殺傷までしている事から、犯罪者である事は理解できた。

捕まれば只では済まない。

どうあっても逃げ延びなければならなかった。