「んー…」

白衣のポケットに手を突っ込んだまま、美奈は小さく唸る。

「じゃあ誰もいない場所にいるんじゃないかしら」

その美奈の言葉に、倉本は顔を上げる。

「目撃者がいないって事は、人が殆どいない場所…山奥とか、他には、そう、無人島とか?みたいな?」

「……」

サングラス越しの倉本の眼が、見開かれる。

「あ、あは、ごめんごめん、そんな安直な訳ないわよね、素人が勝手に首突っ込んじゃ駄目よね、忘れて」