逃亡した瀬尾が潜伏しそうな場所は、都内外を問わず、全て警察官を向かわせて調べた。

倉本や巽も、自ら出向いて雑居ビルや廃屋、ホームレスの溜まり場などを調べているが、瀬尾は見つかっていない。

「瀬尾は1人だ。所持金も多くはない筈。そう遠くへは逃げられない筈なんだが…」

逃げられたとしても国内。

倉本達の知らない内通者がいたとすれば別だが、単独行動ならば限度がある筈だ。

「これだけ多くの人が行き交う年の瀬なのに、目撃者1人いないとは…全国指名手配になって、そこら中にポスターも貼ってあるというのに…」