「じゃあ訊くが」

巽は瀬尾を指差す。

「何で体に爆弾巻き付けてるんだ?」

「!!?」

巽の発言に、部屋にいた全ての捜査員達が騒然となる。

「幾ら上着を着てたって、不自然な膨らみで分かるもんだ…逮捕術に長けたお前でも、これだけの数の捜査員がいる場から逃げおおせるのは難しい…だから万が一の時は、この警視庁内で自爆して終わりにするつもりだった…違うか?」

巽は瀬尾を追い詰める。

「犯人じゃない奴が、そんな準備をする筈がない…インテリの用意周到さが裏目に出たな」

最後は知能でも狡猾さでもなく、刑事としての洞察力が、犯人の正体を看破したのだ。