「どこなの……?」
歩いても歩いても、同じような景色が続く。
不安なってあたしがそう口にしたときだった。
―――ガラガラガシャン!!!
激しい音が、静かな空き地に響き渡った。
……なに……?
あたしたちは動きを止めて、目を合わせ。
次の瞬間、音のした方へ一斉に走り出した。
イヤな予感がする。
なんだろう、この胸騒ぎ。
隼人……無事でいて……っ。
「……っ!」
音のした現場にたどり着いたとき、思わず息をのんだ。
見えたのは、足場が崩れて落下した鉄パイプの数々。
3段に組まれた足場。半分は原型を残しているけど、左側が完全に崩落していた。
もっと近寄ると、崩れた鉄パイプの下から人の足が見えた。
「大丈夫かっ!!」
凌空が呼びかけながら頭の方の鉄パイプをどかしていくと。
「……っ!!!!」
その下から現れたのは、隼人の姿……。
……なんでっ……。
額から血を流し、顔を歪めている。
「いやああああっ……!!!!」
花音ちゃんは叫び、その場に膝をついた。
「隼人っ!しっかりして!!」
完全にパニックだった。
見えているこの光景が、現実のものなのか分からなくなるくらいに。