司と一緒のクラスになれなかったのがとても寂しかったのか、担任の先生の挨拶を半分も聞いていなかった。


聞いていたのは担任の名前が佐藤 優太 (さとう ゆうた)だと言うことだけだ。


「あーや!」


学活が終わり一息ついた所にツインテールの可愛らしい子が廊下で私を呼んでいる。


この子は私の家の近くに住む仲良しの中野 愛優里(なかの あゆり)である。


私とあゆりはお互いを「あや」「あゆ」という愛称で呼んでいるのだ。


私はクラス、あゆとも離れちゃったんだ、と思いながら廊下に行った。


「あやってさ、部活何部に入るかきめた?」


そうだ、部活も決めなきゃ行けないんだ。


「いゃ、まだだけど。」


「そーなの?じゃあ一緒に吹奏楽部に入らない?」



正直何部でも良かった私はどうせならあゆと部活をした方が楽しいかもと思い、吹奏楽部の見学によく行くようになった。