「あ、まって・・・!」
こっちをみた。
「あの、名前は・・・?」
「・・・海崎千隼。」
全然笑わない。それに、懐かしい響き。
どこかで・・・。
ガラッ
「あら、気がついた?ありがとね、海崎君。」
「・・・。いえ。じゃ、失礼します。」
あっ!行っちゃった・・・。
「えっと、あなたは・・・?」
保健室の先生に、問われて

「あっ、えと、九条です。」
「九条さんね!具合はどうかしら?」
「だいじょーぶです。あのさっきのは?」
「あぁ、あなたを保健室まで運んでくれたのよ。あったら、お礼いいなさいね。」
「はい、失礼しました。」
ガラララー
ビクッ
「教室。」
「え、あ、なんで、」
なんでさっき出て行ったはずなのにいるの?

「なんでって、教室連れて行こうかなー?って思って。」
「え、あ、あ、、ありがとございます!」

テクテク
会話なし!辛っ…。なんか、話したほうがいいよね。
「なんて呼べばいいですか?」
ってあたし、あほか!何馬鹿なことを…。
「プッ。あんた、めずらしいな。」
「え?」
「オレの名前なんて聞いてくるやつ一人もいねーのによ。むしろ、俺に怯えず話しかけてる奴なんて今までに一人も・・・。」
ん?なんで、とまる?
「いや、小さい頃に一人だけ。公園のベンチで座ってたんだ。空がものすごく珍しい色をしていて、眺めていたら。」
ズキッ
なんだろう?
「その日の空の色って・・・?」
「あぁ、空の色?それは・・・」