「.........俺も、それに関しては自分自身驚いてる部分はあるかな」
相変わらず胡散臭い笑顔で。
少し困ったような表情を浮かべる悠。
それはもういつもの落ち着きを取り戻した悠の姿だった。
「魔法使いの......ひいては自分自身のために他戦力との闘いを受け入れているけど、あんな血生臭くて、命が絶えず消えていく地獄、紗久には、紗久だけには見せたくないと思った」
微笑む悠はいつもと同じくらい感情を抑えているのに瞳にだけはその感情が溢れんばかりに宿されていた。
その瞳は真剣そのものだ。
「はは、おかしいよね。ただの興味の対象ってだけでどーでもよかったのに...。ここ最近紗久のこと守りたいって思いが強くなって......目が離せない」
おかしそうに笑いながら愛おしそうに紗久の名前を呼ぶ悠。
