「玲奈ちゃんは十分可愛いよ。あいつらのほうがわかってないだけ。砂粒とダイヤモンドなら間違うはずがない」

「えっ……」


思わず見上げた礼治さんは、優しい顔をしていた。笑みの形を描いた唇が、とても色っぽい。


「俺が玲奈ちゃんをそこまで連れて行く。スポットライトを浴びていなくても、どこにいても輝くように」


「そんな写真を? 」

「今の輝いている玲奈ちゃんがずっと残るように形に残しておくから。だからもう心配しないで全部任せて」


あたしがバカだったせいで礼治さんを悩ませていた迷いはなくなり、はっきりしたカメラマンの視線で礼治さんはあたしを見た。


「あたし心配なんてしてません。もし上手く写真が撮れなかったとしたら、それはあたしが悪いんです」

「違うよ。玲奈ちゃんは何も悪くなんてない。18歳の女の子なのに頑張ってるよね。まわりの大人がもっと気をつかわないといけなかっただけなんだ。明日は、もっといい写真を撮ろう」


重そうな機材を揺すり上げて礼治さんが笑う。礼治さんが笑ってくれるだけで、胸がドキドキする。ずっとその笑顔を見ていたい。