ディスプレイに出ている名前には見覚えがある。一瞬ためらったものの、思い切って通話に触れた。

「聞いたわよ、玲奈」

「ミカさんには今まで本当にお世話になりました」

言っているだけで、涙が溢れそうになる。

「あのバカ社長~玲奈はあたしの女神だっていうのに、なんてことしやがる!! ピンクラビッツはあたしが玲奈のためにデザインしてるって知ってるくせに。玲奈が着ないんならテンション下がるわ」

「仕方ないです。おっぱいがおっきくなりすぎだって」

しょぼくれると自分のおっぱいが目に入る。確かに、モデルになってからの成長が著しく、ブラのサイズも三回変わった。

「今の娘はさ~細くてもおっぱいあるじゃない? Cカップとか普通だし気にしないのよ」

「あたし…Eカップなんですぅ。ラビッツの服もLとかじゃないと着れなかったし…」