「すいません… 入部希望のものなんですが…」


机に伏せたまま何の反応もない。


「あの~、起きてます?」


三回ほどそのセリフを言ったところで、


「起きてるって。」


と、朝に聞いたその声が返ってきた。


「入部希望のものなんですけど… 部長さんは?」


「あぁ、なるほどね。 部長なら奥にいるよ。」


つまりは自分で呼べってことですか…。


「すいませーん」

狭い教室で大きな声を出す。我ながらなんて無駄なことなんだ。


「は~い。」


返ってきたのはやけにかわいらしい声だった。