「じゃあ、来笑、また明日」
「またね、綻!」
あたしの家は学校の校門を右に出てから徒歩15分ほど。
来笑は学校の校門を左に出て5分ほどのところに住んでいる。
1日を振り返って笑顔になったり、少し気持ちが沈んだり。
毎日充実してて、大変だなって、楽しいなって、そう思いながら家の玄関を開けり。
「ただいま」
「おかえり。遅かったのね。」
「うん、来笑と話してたから」
「そうなの。あ、そうだ。今日、なご君来るからね」
「……え?」
お母さんのその一言に、あたしの心臓が一瞬止まった。
そんなあたしを見てお母さんは可笑しそうに笑う。
「そんな止まらなくても…! それより言ってなかったわよね?」
「来ること……?」
「そう。あれ、言ってた?」
「や、聞いてない、けど…」